ドーンドーン
著者:平野 啓一郎
販売元:講談社
発売日:2009-07-10
おすすめ度:4.5
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去年読んだ『決壊』が良かったので改めて読んでみました。
そこで気になったフレーズをメモ。

それは分人主義dividualismについての件。

P129
人間の体はひとつしかないし、それは分けようもないけど、
実際には、接する相手次第で、僕たちにはいろんな自分がいる。

<中略>

相手とうまくやろうと思えば、どうしても変わってこざるを得ない。
その現象を、個人individualが、分人化dividualizeされるっていうんだ。
で、そのそれぞれの僕が分人dividual。個人はだから分人の集合なんだよ。
?そういう考え方を分人主義dividualismって呼んでる。


P134
「人を好きになるって、・・・・・・その人のわたし向けの
ディヴィジュアルを愛することなの?それを愛するわたし自身も
その人向けのディブ?分人?インディヴィジュアル同士で愛し合うって、
ひとりの人間の全体同士って愛しあうって、やっぱり無理なの?
そこに拘るのって、・・・・・・子供じみた無意味なことなの?」


分人主義についてはこの物語で何度も語られてるところですが

自分がその人のすべてが分かったと思っても
相手が自分用に分人を使っていて、
そこが気に入っただけかもってこともあるでしょうし、
そもそも、その人の全部って何?っていう
根本的な疑問もあるわけですよね。

そして分人とテクノロジーが掛け合わせられた時
私たち人間はどうしていけばいいのか

話の面白さ以外に根本的なことを考えさせられる1冊でした。