情報社会のいま
情報社会のいま

こちらの本を週末に読んだのですが、近代社会の進化の大きな流れを俯瞰で理解できる
素晴らしい本でした。こちらで気になったフレーズをメモしました。
※これを受けて自分はどう思うのかは、少し時間を置いて書きたいと思います。

私たちは複雑な社会を単純な秩序に従っているものと解釈することで、
それを”理解”し(たつもりになっ)たり、記憶したりすることが楽になるのです。
それが”物語作り”です。
(P10)

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”文明”について、”技術”と”思想”というもっとも基本的な”文明素”に注目して2種類に分ける

(1)技術を重視する”技術文明”
→技術文明は、技術の新しい発展段階を産み出すような文化をもつ
(2)思想を重視する”思想文明”
→思想文明は、思想の新しい発展段階を産み出すような文化をもつ
(P12、13)

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既存の技術文明が行き詰まったところで新しい思想文明が台頭して
そのなかで思想の新たな突破がみられる一方、
既存の思想文明が行き詰まったところで新しい技術文明が台頭して
そのなかで技術の新たな突破がみられる
(P14)

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今日の”地球社会”の特徴
(1)現存する主要な文明は、思想文明としての”宗教文明”と技術文明としての”近代文明”の二つになる
(2)思想の衰弱と技術の発展が進むなかで、”宗教文明”から”近代文明”への大々的な移行が
    ー両文明の部分的な衝突と時を同じくして ー発生している
(3)とはいえ、繁栄を誇った”近代文明”もようやく行き詰まりを見せるようになり、
   その後継文明としての”智識文明”の出現の兆しがあちこちでみられるようになっている
(P16)

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近代社会の進化の大きな流れを、S字波(sigmoid)モデルを使って考察
16世紀後半以降の西欧近代社会の進化の流れを大局的にみてみると、ほぼ200年ごとに、
軍事力が集中的に増大する”軍事化局面” 16世紀後半〜
経済力が集中的に増大する”産業化局面” 18世紀後半〜
情報力が集中的に増大する”情報化局面” 20世紀後半〜
の出現がみられた

これらの三つの局面はそれぞれ狭義の近代化そのものの三つの大局面(出現局面、突破局面、成熟局面)にあたる

現在は、近代化全体の成熟局面にあたると同時に、軍事化の定着局面、産業化の成熟局面、情報化の出現局面にもあたっている
(P58)

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情報化の大局面を三つの”情報革命”の小局面に分解
情報化の”出現”局面(第一次情報革命) 20世紀後半〜
→人々の目的の実現にとっての手段となる知識や情報の急激な拡大が見られる
情報化の”突破”局面(第二次産業革命) 21世紀後半〜
→手段よりも目的にかかわる知識や情報の増進として始まることになるだろう
情報化の”成熟”局面(第三次産業革命) 22世紀後半〜
→目的と手段を統合するような高次の”智”の増進を伴いながら起こると想像される

第一次情報革命の出現局面では、新しい意識と行動様式をもつ個人や集団が台頭する
→彼らの主たる関心事は、”市場”よりもむしろ”智場”と呼ぶことが
   適当な社会的相互作用の場で、”通識”を共働して生産・通有したり、
 それを基板としてさらに新たな恊働活動を展開すること
→マスメディアや既存の知的財産権の所有者たち、既存の政治権力にとって脅威とみなされ、
 それを圧殺しようとする試みや、それを新しいビジネスに転換・吸収しようとする試みが
   既存の諸勢力によってさまざまな形で行われます。
→それに反発する智民や智業たちは”智民革命”を起こそうとするでしょう。
→単なる政治革命を超える”智民革命”がどこまで過激化するかそれとも穏健なものにとどまるか、
   またどこまで成功するかは、それぞれの国のおかれた歴史的・社会的条件や、
   そのなかで関係諸主体が選び取る姿勢や戦略にもよる
(P75〜78)

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日本でいち早く始まった”情報化論”の論者たちは、”情報社会”とは”産業社会”の次に来る
新しい社会だという共通認識をもっていました。
しかし、”情報化論”を流行させるきっかけを作った論文が「情報産業論」と題され、
”工業社会”の次にくる社会が”情報産業社会”だとされていたことは、
議論に多少の混乱をもたらす結果にもなったように思われます。

情報の産業化
→”産業”の提供する”商品”として”定価”で売られるようになること
   産業の情報化
→第二次産業革命局面に出現した諸種の産業(さらには第一次産業革命以来の既存産業)が、
   第三次産業革命の技術や機械を利用するようになることを
  ー 第三次産業革命それ自体を担う新産業である情報通信産業の出現と併せて ー 意味する
(P79〜80)

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本来の意味での情報化時代とは、商品の販売よりも通識の通有が、富のゲームよりも
智のゲームが支配的な社会活動になる時代なのだとすれば、
それを支える技術としては、広い意味でのソーシャルメディアの作り方や運用の仕方にかかわる技術、あるいは、戦争と競争の技術とは区別される協力ないし恊働の技術のような”ソーシャル技術”が
重視されるようになって当然でしょう。
(P81)


この話の流れで考えてみると今後の政治や社会の流れも
ざっくりと予想できるのではないかと思います。